バイブロハンマの応用施工法

プレハブ鋼矢板セル工法

直線鋼矢板をあらかじめ円形のセル体に組立て、5~6枚を1台のバイブロハンマが受け持ち60~120kW級バイブロハンマ数十台で一度に打込む施工法である。 セルの打設後にアークセルで閉合し、セル体およびアークセル打設後それぞれ函内に中詰砂を急速施工して安定させる。

根入れ式鋼板セル工法

現場製作ヤードで製作された円筒形鋼板を打込む工法で、150kW級バイブロハンマを必要に応じて6台~12台を機械的に同調運転させ、φ18m~φ25m級大径のセルを海底地盤に根入れさせる工法である。
プレハブ鋼矢板セルと同様に、セルの打設後にアークセルで閉合し、セル体およびアークセル打設後それぞれ函内に中詰砂を急速施工して安定させる。

バイブロハンマ VM2-25000A バイブロハンマ VM2-25000A バイブロハンマ VM2-25000A

図10.10-1 バイブロハンマ VM2-25000A×6 台連動により鋼板セルを打設 起重機船 1,400t吊

斜杭打ち込み施工法

バイブロハンマの持つ施工性と経済性を斜杭施工にも取り入れ、バイブロハンマの振動を緩衝する特殊装置と本体潤滑技術の改良により20度斜杭の施工が可能となっている。

ZERO-320MR(240kW) ZERO-320MR(240kW)

図10.10-2 ZERO-320MR(240kW)によるリーダ装着型斜杭打設状況

地盤改良工法

陸上・海上の軟弱地盤改良のためのサンドコンパクション工法やサンドドレーン工法での先閉じケーシングの打ち込み、引抜きにバイブロハンマが利用されている。

ZERO-320MR(240kW)

図10.10-3 地盤改良工法専用バイブロハンマ

ウォータジェットカッタ併用工法

バイブロハンマにウォータジェットカッタを併用させる複合工法である。
岩盤・砂礫地盤を含む硬質地盤に既製杭を打込む工法であり、低振動・低騒音施工が可能であり、優れた経済性と施工性により汎用的に用いられている。
特に、CJ-330ERSおよびCJ-340ERSは、ウォータジェット併用による打設後、セメント使用に切替えることで、水使用時と同じ圧力でセメントミルクの圧送により、グラウトができる。

ウォータジェットカッタ CJ-330E(243kW) ウォータジェットカッタ CJ-330E(243kW) ウォータジェットカッタ CJ-330E(243kW)

図10. 10-4 ウォータジェットカッタ CJ-330E(243kW)複数台連動、噴射テスト

RSプラス工法

RSプラスは、鋼管杭先端に取り付けたノズルからウォータジェットでバイブロハンマにより所定の深度に打設後、水をセメントミルク噴射に切替えて、杭先端に根固め球根を築造する。さらに、ジェット用配管を回収する際に杭周面部にもセメントミルクを充填することで、杭と周辺地盤との一体化を図り大きな支持力が得られる工法がある。

ZERO-200MRによるRSプラス工法 ZERO-200MRによるRSプラス工法

図10. 10-5 ZERO-200MRによるRSプラス工法